紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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 <紀伊半島の巨木を訪ねる>

 奈良県宇陀市榛原区高井の千本スギ

 奈良県宇陀市榛原(はいばら)区高井の千本スギは、井戸の周りに植えられたスギが成長し、その根元が合体してできた珍しい巨木である。これまで、2本が合体したできた夫婦杉の巨樹を何本か見てきたが、このように、数本の杉が合体してできたものは巨大で珍しい。この千本スギは、発育が極めて旺盛で、樹高約30m、枝張りは東西南北とも約22mで、この千本スギだけでスギの林と見間違うほでである。
 
(写真をクリックすると拡大します)
奈良県宇陀市高井の千本杉への入り口
高井の千本スギは、仏隆寺から少し離れた旧伊勢本街道沿いにある。丘陵地の中腹にあり、道路標識があるが、気を付けないと見過ごしてしまう。写真の杉林を少し入ると、千本スギがある。
宇陀市高井の千本杉の幹
高井の千本スギは、奈良県の特別天然記念物に指定されている。地上1mぐらいのところから16本の幹が立っているようである。樹幹の複雑な癒着は学術的にも貴重であると言われている。癒着した樹幹部の周囲は目通り約25mに及ぶ巨樹である。県内外から本樹を参詣に訪れる信者がいて、筆者が訪れたときも樹前にござを敷いて数名のお年寄りがお参りをしていた。
宇陀市高井の千本杉の根元
千本スギの根元は、写真のように井戸の周りを取り囲んで互いに融合している。今は枯れ井戸になっているが、中には窪みがあり、雨水であろうが水が少したまっていた。千本スギの近くに別に古井戸があり、水が少しずつ流れ出ていて、信仰の対象となっている。
 
宇陀市高井の千本杉の枝振り
千本スギの上部に融合した樹の幹が林立している。それぞれの幹はやや混み合っているが、それぞれが適当な間隔を保って旺盛に生育している。

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